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馬と真実の愛と欲望の物語: アジアで見られるスパムパターンの考察 

Aug 25, 2011 08:16 AM

コンピュータを起動して Outlook を開くと、今日もアンジェリーナ・ジョリーから誘惑の言葉が......。「私をベッドで満足させて」。そんなメールを削除しながら、不思議に思ったことはありませんか。どのスパムメールの内容も似たり寄ったりなんだろうか、と。たしかに、スパムの特定のフレーズは、思いつく限りの言語でうんざりするほど何度も繰り返し登場しています。「replica watch(レプリカ高級時計)」、「reloj(腕時計)」、「ologi(腕時計)」などがそうです。しかし最終的には、習慣や衣食などと同様に、やはり文化と生活スタイルが人の行動を決定し、コンピュータの使い方も左右するものです。スパムのはたらきは広告によく似ています。詐欺行為から最大の利益を上げるには、標的とするグループごとに、その文化的背景や地域による傾向をふまえた需要に応じる必要があるからです。ここでは、極東地域で見られるスパムが、他の国でおなじみの医薬品詐欺や 419 詐欺とどう違うかを示すために、日本に固有のスパムの例を見ていくことにします。

競馬を利用した詐欺

日本は、世界でも有数の競馬大国です。日本国内の 30 余りの競馬場では、年間 21,000 以上のレースが開催されています。この競技が多くの観客を、そして詐欺師までも惹きつけていることは公然の事実です。日本語で書かれたスパムの中では、競馬に関連するスパムメールがかなりの割合を占めています。代表的な競馬の詐欺メールは、以下のような文面です。

特徴的な点がいくつかあるので、それを指摘しておくべきでしょう。まず競馬詐欺メールには、必ずと言っていいほど、途方もなく高い回収率が謳われています。次に、「少人数限定」で秘密の必勝法を教えるという売り文句で、犠牲になりそうな人を誘い込みます。このように秘密を装うことで、被害者から個人情報を聞き出す行為が合法化されるという面もあります。ざっと調べただけでも、競馬サイトはすべて会員制であり、ユーザー登録が必要とされています。

以下に示すのが、競馬詐欺サイトの一例です。ここでも無料制がとられていますが、登録プロセスでは個人情報を入力することになります。

ではいったい、競馬詐欺ではどのくらいの確率で利益が上がっているのでしょうか。「無料」と称しているサービスにいったん登録してみれば、無料のサービスなどひとつもないことがすぐにわかります。サイトに載っている情報を見るには、どれも「ポイント」が必要であり、そのポイントを購入するには本物の金銭が必要なのです。言うまでもないことですが、こうしたサイトで提供されている情報は、将来の出来事に関するまったく根拠のない予測に過ぎません。さらに悪いことに、こうしたサイトの多くは、登録されたあらゆるユーザー情報を収集し、提携している他のスパムネットワークに転売しています。たとえば、出会い系サイト(これは今後のブログ記事で触れます)や、悪質な広告業者などにです。騙されたとわかってお金を取り戻したいと考えても、それは想像以上に困難でしょう。Web サイトでどれほど返金保証が謳われていても、まったく当てにはできません。調べてみるとすぐにわかりますが、競馬詐欺の犠牲者救済サイトも、当の競馬詐欺サイトと同じくらい数多く存在するくらいです。もし次にまた、このような「完全保証付きの必勝法」を騙るメールが受信ボックスに届いたら、人間の欲望につけ込もうとする詐欺であることを思い出してください。そして、ただちにスパムフォルダ送りにしましょう。

 

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