Video Screencast Help
Protect Your POS Environment Against Retail Data Breaches. Learn More.
Security Response

リビアの資産持ち出し詐欺はいつまで続くか

Created: 01 Sep 2011 06:51:30 GMT • Translations available: English
khaley's picture
0 0 Votes
Login to vote

名誉か不名誉かにかかわらず、ニュースの見出しを飾れば詐欺師の注目をひくものです。スパムや SEO ポイズニングを利用するマルウェア攻撃では、名誉、不名誉いずれかで有名になった人物が登場することが定番になっているので、最新の事件で一躍悪名をはせた人物を詐欺師が利用したとしても驚くには当たりません。Samir Patil 氏が火曜日のブログ記事で書いたように、カダフィの家族が 419 詐欺に登場するようになっています。考えてみれば、実際にナイジェリアの王族を知る者はほとんどいませんが、カダフィ大佐のことならたいていの人は耳にしたことがありますし、大佐がちょっとばかり窮地に陥っていて、逃走経路を確保するための資金を持っているであろうことを知っています。

カダフィ大佐の家族にとってリビア情勢がどう終息するのかは予測できませんが、419 詐欺だけでなく、いわゆる相続詐欺のバリエーションにも頻繁に登場するようになるという予測はできそうです。

419 詐欺や「スペインの囚人」詐欺と同様、相続詐欺にも古い歴史があります。その最も有名なバージョンが「ドレーク詐欺」で、これはフランシス・ドレーク卿が 1596 年に没した直後に出現しました。

フランシス・ドレークは、女王エリザベス 1 世によってナイトの称号を授かり、英国ではスペインの無敵艦隊と闘った英雄と見なされています。スペインの側では海賊扱いです。英雄か海賊かはともかくとして、ドレーク卿が自分の撃破したスペインの艦船から莫大な財宝を持ち出したことには疑いがなく、卿がそうした財宝を蓄え、巨額の財産を遺して死んだと信じる人も少なくありませんでした。

サー・フランシス・ドレーク - 画像提供: Wikipedia

有名人が死ぬと詐欺師の出番になる、というのは当時から同じでした。時をおかずして、手紙を受け取った人は秘密の財宝からかなりの割合を受け取れるという手紙が届くようになります。もちろん、最初には何らかの難関を乗り越えなければなりませんが、手紙の受取人が支払うのがごく小額の現金だけとなれば、その困難は吹き飛んでしまいます。

これはもともと、「ドレーク」という姓を持つ人を標的とする詐欺でした。1900 年代初めの米国では、田舎町を訪れた詐欺師が電話帳でドレークという名前を探し出して訪問し、訪問先の人物がフランシス・ドレーク卿の末裔であり、その莫大な財産を受け継ぐ資格があると告げました。ドレークの死から 300 年が経っているため、正当な相続人が財産を受け継ぐ場合にも法的な問題があり、それを解決するために被害者はささやかな金額を支払う必要がある、と話は続きます。

独創的な工夫が見られるのは、合法的なビジネスだけとは限りません。1919 年になると、アイオワ州で警察官を務めたのち農夫やセールスマンとして働いていた Oscar Hartzell なる人物の手によって、この詐欺の手口はまったく新しいレベルに進みます。2 人の詐欺師に母親が騙されるのを目撃した Hartzell は、その2 人の後を追いましたが、それは捕まえるためでも母親の金を取り戻すためでもなく、2 人のやり方が間違っている、詐欺とはこうするものだ、と教えるためでした。

ドレークという名前ではない人を騙した詐欺師は、Hartzell が最初ではなかったかもしれませんが、詐欺を新たな段階へ引き上げたのは Hartzell その人です。Hartzell の話によれば、自分は財産を受け継ぐ本当の相続人の代理人であり、英国政府から相続権を確保するための法的な費用をまかなうために、投資家から資金を集めているところだということになっています。ドレークの財産は、利子と合わせれば現在の価値で 1 億米ドル相当だと語り、投資に合意した人にはその投資額の 500 倍を約束しました。最終的に、Hartzell は 80,000 人を超える投資家を集めました。場合によっては、町ぐるみで投資家となるように説得した例もありました。共謀者の集団を使ってさらに新しい投資家を募り、すでに投資した人からはさらに多くの金銭をしぼり取りました。ある時点で Hartzell は英国に渡り、投資家たちに何度も電報を打ちます。財産を拘束している法的な制限を解除するための最終的な局面に取り組むので、さらに資金を募る必要があると主張したのです。

Hartzell が英国から強制退去させられ、米国で裁判にかかって有罪判決を受けた後でさえ、投資家の多くは自分たちが詐欺にあったことを信じようとはしませんでした。そうした投資家たちは、Hartzell がレヴェンワースの獄中にある間にも資金を送り続けたのです。

フランシス・ドレーク卿とその財宝は、何百年にもわたって詐欺師たちとその犠牲者の想像力をつかみ続けました。今の世の中には、善悪を別にして、そこまで人を惹きつけ続ける人物はいません。カダフィ大佐がその一例になるのかどうかは、興味深いところです。

 

* 日本語版セキュリティレスポンスブログの RSS フィードを購読するには、http://www.symantec.com/connect/ja/item-feeds/blog/2261/feed/all/ja にアクセスしてください。