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Office を悪用した新しい標的型攻撃が出現 

Feb 10, 2012 03:38 AM

寄稿者: 中山雄克

先日、標的型攻撃に関して取得したファイルを調べていたところ、妙なファイルセットが目に止まりました。それらのファイルを分析してみると、2 つのファイルがセットになって、今までに一般に確認されていない脆弱性を悪用するものであることが判明しました。Microsoft はこの問題を認識しており、MS11-073 を適用したユーザーは完全にセキュリティ保護されると発表しています。

これらのファイルが一般的な標的型攻撃と異なる点は、Microsoft Word の文書ファイルと .dll ファイルがペアになっていることです。通常、標的型攻撃に必要となるのは、マルウェアを投下するファイル 1 つのみです。このペアは、電子メールに添付されたアーカイブファイル内に隠れて標的に送られる可能性が高いと思われます。電子メールで送られたアーカイブに文書ファイルが含まれていることは珍しくありませんが、.dll ファイルが電子メールで送られてくることはあまりないでしょう。

この脆弱性の悪用では、Word の文書ファイルに埋め込まれた ActiveX コントロールが使用されます。Word 文書を開くと ActiveX コントロールによって fputlsat.dll が呼び出されますが、このファイルの名前は、Microsoft Office FrontPage Client Utility Library で使われる正規の .dll ファイルと同じです。この悪用に成功すると、マルウェアがシステム上に投下されます。.dll ファイルが機能するには、ファイル名が fputlsat.dll でなければならないので、電子メールで文書ファイルとともにこの名前のファイルが送られてきた場合は警戒が必要です。悪用に成功すると、fputlsat.dll が削除され、Thumbs.db ファイルと置き換えられます。攻撃者が Thumbs.db を使う理由は、サムネイルビューの使用時に Windows によって作成される共通ファイルがこのファイル名であるためです。また、このファイルは、デフォルト設定ではコンピュータの標準ビューに表示されません。



シマンテックでは、この文書ファイルを Trojan.Activehijack として検出しています。この攻撃で悪用されている脆弱性についての詳細がわかり次第、その更新情報を提供する予定です。ユーザーの方々は、特に理由がない限り、電子メールに添付された .dll ファイルには用心してください。また、標的型攻撃を受けるリスクを低減するため、MS11-073 のパッチと最新のパッチをすべて適用することをお勧めします。

 

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