同社のインフラは、分断されていました。同社には 3 つの主要な拠点がありますが、各拠点で独自の電子メールアプリケーション、ディレクトリサービス、および電話システムを所有していました。同社は法的規制を遵守し、さまざまな開示要求に対応していましたが、スタッフはこれらの作業に時間を取られ、外部コストも発生し、運用と利益の足かせとなっていました。
たとえば、法令遵守の監査と開示への対応のために、同社は該当する期間のバックアップテープを取り寄せ、次に元のファイルシステムを再構築する必要がありました。このプロセスには数日を要することもありました。その後、同社は情報をプリントアウトし、文書を外部のベンダーに送信していました。ベンダーは特定の単語や言い回し、または情報カテゴリを検索するために、すべてのページに目を通さなくてはなりませんでした。
この手順は、サーバー、ディスク領域、ネットワーク帯域幅、そして最も重要なことに IT スタッフの時間という、より生産的な用途に活用できるはずのリソースを消費していました。さらに、手動による保持と期限満了のプロセスは人的エラーが発生する傾向があり、訴訟の場合は特に問題になります。電子的に保存された情報の保持と期間に関して、誠意と自動化されたシステムを示すことで、特定のデータを提供できないときの制裁から組織を保護できる可能性があります。この種の日常的な作業が行われていない場合、被告は不誠実な行動をしていると推定されます。文書と保持の管理をするシステムを実装し、予期された訴訟が発生したときにただちにそのシステムを停止させる機能を実現することにより、制裁を受けるリスクを低減できます。
同投資管理会社は、大掛かりな IT 構想の一部として、電子メールと文書のアーカイブ、電子開示、およびコンプライアンスが取り組むべき重要な分野であることを認識しました。同社はシマンテックグローバルサービスと連携し、
Symantec Enterprise Vault ベースのソリューションを配備しました。これには Compliance Accelerator、Microsoft Exchange Journaling、File System Archiving の各オプションが含まれています。アーカイブポリシーは、電子メール、インスタントメッセージング ( IM )、ファイルサーバーとプリントサーバーデータ、Bloomberg Professional IM を対象としています。結果として、独立系調査グループが実施したビジネスバリュー分析では、コストの節約、生産性の向上、コストの回避に伴う数百万米ドルの利益が指摘されました。
同社の経験は特別なものではありません。どこの金融サービス企業でも、電子コミュニケーションは種類も量も増加しており、それに応じて訴訟業務をサポートする開示要求も増加しています。
このアーティクルでは、そのような企業が文書の保持と開示を行おうとするときに直面する重要な課題のいくつかに注目します。次に、ストレージコストの削減と管理の簡素化に努めながら、企業情報を保持および保護する能力をどうやって向上させることができるのかを説明します。
現在の IT 部門にとって、爆発的に増加を続けるビジネス情報の取り扱いほどやっかいな課題はありません。上記の企業の例を考えてみましょう。同社の電子メールの量は、2001 年以来、毎年倍増してきました。データベースやファイルベースの情報など、他の情報もそれに近い早さで増加しています。
同時に、IT 管理者は機密情報に関する規制や開示の必要性が増大していることにも注意を払わなくてはなりません。これらはノートパソコン、携帯電話、PDA、メモリカード、フラッシュドライブ、さらにマルチメディアプレーヤーのようなコンシューマデバイスにも保存され、持ち運ばれています。
こうした傾向は、企業のストレージインフラとビジネス継続性の戦略にとって明らかな負担となります。
「金融サービス業界は、電子メールと IM を使用して、ブローカーとディーラーの間のコミュニケーションを監視および保持することに関しては、先駆者でした。これは、最初の波でした」と、シマンテックの Enterprise Vault プロダクトマーケティングマネージャである Sean Regan は語ります。「今や、米国連邦民事訴訟規則 ( Federal Rules of Civil Procedure ) によって推進されている電子開示要求は、組織全体に及ぶものになっています」。
その結果、IT 部門は、高価なストレージシステムを不必要に占有している膨大な量の重複データを削減する方法を検討するようになりました。また、IT 部門が十分承知しているように、ストレージは、多くのデータセンターが限界値に達する原因となるスペース、電力、冷却の問題が発生する上で大きな役割を果たしています。
「金融サービス企業は、保持と期限満了について戦略的な検討を開始する必要があります」と、Regan は語ります。「企業は、保持ポリシーに関して賢明に行動するようになってきました。結局、作成されるすべての電子メールが、同等の重要性を持っているわけではありません」。
Russell Investment Group について考えてみましょう。事実上あらゆる金融サービス企業に当てはまることですが、Russell は、電子メールが業務に不可欠であると考えています。ただし、電子メールの量は着実に増加しています ( Russell の場合は、年率 60 パーセントの割合 )。
2 年前、米国ワシントン州タコマにある Russell の本社で、
Symantec Enterprise Vault が配備されました。
Enterprise Vault は、Microsoft Exchange ベースのサーバーコンピュータから、アーカイブ済みの電子メールを移行し、メッセージを圧縮し、同一の内容で複数のインスタンスが存在する添付ファイルを 1 個だけ保存しました。その結果、Russell の電子メールストアは、45 パーセントの削減を達成しました。 加えて、バックアップとリカバリの所要時間も大幅に短縮されました。Russell は、電子メールサービスのリカバリ能力が従来比 75 パーセントの高速化を達成できたと推定しています。
電子メールのアーカイブとリカバリに関して賢明かつ戦略的なアプローチを採用することは非常に重要であり、強調しておく必要があります。2007 年、結核をわずらっているにもかかわらず、欧州へ航空機で渡航した米国人について考えてみましょう。2007 年 6 月、InfoWorld 誌は次のように報じました。
- 「米国ジョージア州フルトン ( Fulton ) 郡の公衆衛生局 ( Department of Health and Wellness ) は、ジョージア州アトランタに住む Andrew Speaker 氏が 5 月に結婚式および新婚旅行のために欧州へ渡航するのを阻止しようとしました。同氏は薬剤耐性のある結核菌に罹患していたので、航空機の他の乗客に伝染する可能性がありました。
- Speaker 氏はメディアによる取材に対して、公衆衛生局からは自分が渡航不可能であると告知されなかった、と主張しました。 この訴訟の詳細を報じている Atlanta Journal-Constitution 紙は、ジョージア州フルトン郡の地方政府に対し、同政府の医療担当たちによる、Speaker 氏の事例についての電子メールでのやり取りを開示するように要求しました。
- フルトン郡では、Symantec Enterprise Vault ソフトウェアを使用していました。
- 『私が実行する必要があったのは、単に Andrew Speaker という人名が記載されているすべての電子メールを取得することでした』と、フルトン郡の電子メール管理者である Rich Diller 氏は語りました」。
最終的に、
Enterprise Vault を使用して、Speaker 氏の事例に関連する計 200 ページほどの電子メールを、わずか 90 分で取り出すことができました。この結果、フルトン郡は面倒な事態を避けることができました。
「誰だって、開示について注目を浴びて窮地に陥ったり、余計な詮索をされたりすることは避けたいはずです」と、Regan 氏は付け加えます。「特に、サブプライム融資に関する訴訟で予想されるレベルでは、どのような情報が手元にあるのか、どこにあるのか、どのように取得すればよいのかを把握しておく必要があります」
ここ数年の間に、Merrill Lynch and Co.、Morgan Stanley、UBS Warburg の知名度の高い 3 社だけを挙げてみても、電子開示に関するさまざまな誤った手順が原因で罰せられています。
Symantec Enterprise Vault は、企業データの保存と管理を行い、電子メールシステム、ファイルサーバー環境、インスタントメッセージング ( IM ) プラットフォーム、コラボレーションとコンテンツ管理システムからの検索を可能にするアーカイブプラットフォームを提供します。
Enterprise Vault は、すべてのデータが同様に作成されるわけではないことを認識し、分類と保管のために高度な技術を活用し、ガバナンスや規制の要件に従って対象データを取得、分類、インデックス付けして保存することでストレージコストを削減し、電子開示を合理化します。
具体的には、
Enterprise Vault を使用すると、組織はストレージリソースを合理化し、一次ストレージを動的データとトランザクションデータに割り当てることができます。古い、アクセス頻度の低い内容は、二次または三次のストレージデバイスに移行し、予算をより戦略的な目的に配分することができます。必要のなくなったデータは、企業の保持ポリシーに従って期限切れにすることができます。
最近では、非構造型データが増加し、コミュニケーションや文書のやり取りに関して電子メールに依存する傾向が強くなっているため、どこの企業でもデータの保護と管理への要求が高まっています。電子メールはミッションクリティカルなアプリケーションです。
シマンテックのソリューションは、金融サービス企業が非構造型データの収集と保持を行い、開示に対して効率的に準備し、文書に関するポリシーと法的規制を遵守するために役立てることができます。