いったい、標準的なデータセンターではどの程度複雑になっているのでしょうか。シマンテックが最近実施した調査によると、およそ 3 分の 2 のデータセンター管理者は、自社のデータセンターが複雑になりすぎて容易に管理できないと回答しています。またデータセンターが複雑すぎることが大きな問題ではないとしても、半数以上の管理者は社内の SLA (サービスレベル契約) の要求が厳しくなっていると語りました。
同時に、予算は継続的に抑制されています。最新の「Symantec State of the Data Center Report」によると、最近 5 年にわたって、データセンターの予算増額は「最小限」に抑制されてきました。
このような圧力がある中で、IT 管理者は、ミッションクリティカルなアプリケーションのアベイラビリティとリカバリをコスト効率よく実現するために、どのような準備ができるでしょうか。このアーティクルではいくつかのオプションについて見ていきます。
現在、ハイアベイラビリティおよびディザスタリカバリ (HA/DR) と呼ばれるソリューションは、コンポーネント障害 (ディスクの空き容量がなくなるなど) から、ワームとウイルス、広範囲にわたる停止 (停電など)、サイトの壊滅的な停止 (台風、竜巻による被害など) まで、前例のない数の脅威に取り組む必要があります。
それに対し、Forrester Research が実施した最近の調査によると、IT 部門はこの状況を経営陣に正しく伝えていません。Forrester は 2007 年 10 月に 250 人のディザスタリカバリ専門家に対して調査を行い、企業の上層部に対して、ディザスタリカバリシステムへの投資を説得するため、IT 管理者はより多くの行動を起こす必要があるという結論を導きました。
Forrester のシニアアナリスト Stephanie Balaouras 氏の言葉を借りれば、IT 管理者はディザスタリカバリが単なる「保険としてのポリシー」ではなく、潜在的な障害からシステムを保護して実際に運用効率を改善できることを示す必要があります。
Balaouras 氏は、企業はディザスタリカバリへの投資を先延ばしにできる一過性のことがらではなく、インフラとアプリケーションに対する既存の投資を一貫して強化できる「定期的なアップグレード」と見なすべきだと述べています。
他の識者は、ハリケーン「カトリーナ」のような災害が発生しているので、堅牢なディザスタリカバリ戦略を増強することの緊急性が強調されている、と主張します。
シマンテックのシニアプロダクトマーケティングマネージャ、Dan Lamorena が次のように語ります。「カトリーナハリケーンの後、広範囲に混乱が起こった結果、高い注目が集まったのが包括的な事業継続性計画の必要性です。計画には、メインデータセンターが災害の影響を受けた場合でも、災害とは無縁の遠く離れた場所にセカンダリデータセンターを設置することを盛り込みます。ただし、多くの IT 部門は、セカンダリデータセンターの設置に伴うコストは、大規模企業以外には手が届かないだろうと考えています」
Lamorena は、企業の IT 部門がハイアベイラビリティおよびディザスタに対する堅牢な戦略を実装し、同時に毎日の運用に対するシステムのアベイラビリティを最大限に高めるのに役立つ 5 つの戦略を提案しました。
- すぐに問題を特定する
従来、ディザスタリカバリを適切な時期に実行するための問題の 1 つは、警告送信システムが遅いことでした。現在は、高度なクラスタ技術により、いつ停止が発生したかの通知と報告の機能が正確に検出され、すぐに管理者にその問題を通知します。その後、セカンダリデータセンターでアプリケーションを起動し、ユーザーをセカンダリデータセンターに接続することができます。
- 自動化によりダウンタイムを短縮する
ダウンタイムを最小限にとどめる必要のあるミッションクリティカルなアプリケーションには、高度に自動化され、耐性を備えたディザスタリカバリプロセスと、インテリジェントなアプリケーションリカバリインフラが必要です。ハイアベイラビリティクラスタのような自動化アプローチを使用すると、従来の手動によるリカバリプロセスに比べて、ダウンタイムを大幅に短縮できます。プライマリデータセンターでシステム障害が発生した場合でも、IT 管理者が限られたアクションを実行するだけで、他のサーバー上でアプリケーションを再起動することができます。
- セカンダリサイトの潜在能力を活用する
大半の企業の IT 部門は、セカンダリサイトを大部分の時間はアイドル状態にとどまっている、コストセンターと見なしています。しかし、セカンダリサイトは、テスト開発、品質保証、さらにクリティカルではないアプリケーションの使用に充てることができます。また、高度なクラスタソフトウェアを使用すると、本稼働アプリケーションを実行しているのと同じ高いコストのハードウェアにアプリケーションをフェールオーバーする必要性が減少します。最新のクラスタソフトウェアは、同一のデータセンター内、またはリモートサイト間で、互いに異なるストレージおよびサーバーハードウェアの間でのフェールオーバーに対応しています。
- 仮想環境の価値を認識する
サーバー仮想化は、現在のデータセンターで主流の技術になってきました。サーバー仮想化とは、仮想マシン技術を活用し、単一のサーバーコンピュータ上で複数のオペレーティングシステムを実行できる技術です。セカンダリサイトの仮想サーバーを再起動する作業は、従来は手動でした。しかし、新しいクラスタソフトウェアを使用することにより、企業はサーバー仮想化技術を配備し、物理サーバー環境で期待されるのと同等の自動ディザスタリカバリの利点を実現できます。ミッションクリティカルなアプリケーションのフェールオーバー先として仮想サーバーを使用すると、リカバリサイトのハードウェア、電力、スペースのコストを削減できる点も覚えておいてください。
- ディザスタリカバリ計画を定期的にテストする
Forrester Research と Disaster Recovery Journal 誌が 2007 年 10 月に実施した調査によると、企業のうち 50 パーセントはディザスタリカバリ計画のテストを 1 年に 1 回行っているのみであり、14 パーセントはまったくテストを実施していないことが明らかになりました。なかには、テストの実施を嫌う企業も見うけられます。テストには、本稼働システムを停止する必要が生じ、多くの人手も必要とされるからです。フェールオーバー機能を自動化すると、IT 部門は本稼働システムデータのコピーを使用してリカバリの手順をテストできます。つまり、本稼働環境の中断、データの破損、本稼働アプリケーションを再起動する時点での問題発生リスクを心配する必要がありません。ディザスタリカバリに関するベストプラクティスは、ディザスタリカバリ計画のテスト、改訂、更新を定期的に行う必要があると説明しています。シマンテックは、企業がこれらに真剣に取り組み、ビジネスのニーズに応じてディザスタリカバリ環境を定期的にテストすることを推奨します。
現在の IT 部門は、事業継続性を向上すると同時にコスト抑制の圧力が強まっていると感じています。同時に、大規模企業でも中小規模企業でも、自社で使用しているアプリケーションのうちかなりの割合が「ミッションクリティカル」であるとみなしています。Forrester Research および Disaster Recovery Journal 誌の調査によると、回答者は使用中のアプリケーションのうち 35 パーセントをミッションクリティカルと分類しました。これらの重要なアプリケーションを適切な時期にリカバリすることに失敗すると、大きな影響を及ぼす可能性があり、その結果、売り上げの損失、コンプライアンス違反、顧客離れ、ブランド価値の低下などを招くおそれがあります。
現在、IT 部門は新世代のハイアベイラビリティおよびディザスタリカバリソフトウェアを活用して、高い費用対効果で稼働時間を最大限に増やし、生産性を向上できます。さらに、これらのソリューションにより、IT 部門は、本稼働環境を止めることなく、自動化され費用対効果の高い方法で自社のリカバリインフラをテストし、検証するためのツールを入手することができます。近年の自然災害により致命的な損害が発生していることを考慮すると、すべての IT 部門はこのようなソリューションを真剣に検討する必要があります。