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バックアップのススメ
バックアップを知る事で、突然のシステムダウン、サーバークラッシュも慌てない!

RPO/RTOゼロを目指せ!

今日の業務において、ITシステムの重要度が高くなっていることは言うまでもありません。そのため、ダウンタイムを最低限に抑え、万が一の障害時は、より新しい状態のデータを復旧することが求められています。システムの二重化などにより、この要件を満たすことができますが、一般的には、万全なディザスタリカバリ対策には、コストが掛かります。バックアップは安価に実現するディザスタリカバリの手法であり、復旧の際にはダウンタイムは避けられないと思われがちですが、テクノロジの進化により、安価にダウンタイムを抑えることができるようになってきています。そこで今回はバックアップの技術で高度なディザスタリカバリを実現する方法について見ていくことにしましょう。

RPO/RTOを定義する

RPO(Recovery Point Objective:リカバリポイント目標)とRTO(Recovery Time Objective:リカバリタイム目標)というふたつの重要な指標があります。これは、ディザスタリカバリを設計するために必要な目標値で、バックアップにおいては、RPOは、どれぐらい前の時点にリカバリする必要があるか、RTOはどれぐらいの時間内にリカバリを完了する必要があるか、ということです。一般的には、RPO/RTOを短くするにはコストが必要になり、サイトの二重化などによって、実質的にはゼロに近くすることもできます。ただし、データやアプリケーションの重要度を調査し、どの程度のコストを掛けて、どの程度のRPO/RTOを実現するか、定義することが必要です。なるべくコストを掛けないでRPO/RTOの短縮を実現することが理想的ですが、そのためにはバックアップ手法の選定が重要になります。

企業がこのように仮想化を積極的に導入する理由はどのようなところにあるのでしょうか? 仮想化を導入する理由として最も大きいのが、サーバー統合の用途です。企業では安価に導入できるx86サーバー(PCサーバー)を利用して、部門ごとや業務ごとに多数のサーバーを構築してきました。安価であり手軽に構築できることが利点であったx86サーバーですが、管理しきれないほどに数が増殖した結果、運用面では手間・コスト共に当初の想定をはるかに上回るものとなってしまっていました。そこで注目が集まったのがこれらのサーバーの機能を統合するための仮想化の技術なのです。

サーバーのRPOを短くするCDPとRTOを短くするイメージバックアップ

サーバーのRPOを短くするには、CDP(Continuous Data Protection:継続的なデータ保護)の技術が効果的です。通常のバックアップとCDPでは、データの記録のタイミングに大きな違いがあります。バックアップでは、通常、データバックアップのタイミングをスケジュールします。例えば、毎日ある特定の時間に、バックアップを実行するように設定します。CDPでは、バックアップを行うタイミングをスケジュールしません。そのかわりに、対象となるシステムを常に監視しておいて、変更が発生すると、すべての変更部分を記録しておきます。ファイルサーバーであれば、ユーザーによりファイルに変更が加えられたり、追加されたりしたタイミングで、その変更や追加部分を、書き換えられたタイミングで記録します。したがって、リストアの際には、過去の任意の時点までデータを復旧させることが可能となるのです。

CDPには、ふたつの大きなメリットがあります。ひとつは、バックアップウィンドウを必要としないことです。通常のバックアップでは、バックアップ実行のタイミングで、非常に大量のハードディスクへの書き込みやデータの送受信が発生します。そのため、バックアップ実行中は、システムのパフォーマンス低下が考えられるため、夜間などの比較的使用頻度が低いと思われる時間にバックアップウィンドウを設定し、バックアップを行うことが一般的になっています。CDPでは、常にデータの記録が行われますが、そのやり取りは非常に少なく済むため、業務への影響を考慮する必要がありません。

ふたつめのメリットは、常に最新のデータに復旧することができる点です。これは、つまり、RPOの短縮ということです。通常のバックアップでは、バックアップ実行時間の直前で、保持しているバックアップデータが最も古くなってしまいます。1日に1回バックアップを実行している環境では、バックアップが実行される直前にシステムがクラッシュしてバックアップデータから復旧する場合、昨日の時点のデータにしか戻すことができません。CDPでは、変更部分がすべて記録されているため、ディザスタ発生の時間に依存することなく、変更したデータを損失することなく復旧することができるのです。



一方、RTOの短縮には、イメージバックアップが効果的です。システムがクラッシュして、ハードディスクを交換するケースを想像してみてください。定期的なデータのバックアップは実施していたとします。まず、物理的にハードディスクを入れ替えます。そのあと、OSをインストールします。必要に応じて、デバイスドライバを追加したり設定したりします。さらに、ユーザーアカウントの設定や必要なアプリケーションのインストール、バックアップデータからのデータの復旧などを実施します。完全にシステムが元通りに動き出すまでに、どれぐらいの時間を要するでしょうか。このダウンタイムの間、ユーザーはシステムを使用することができず、直接業務の損害につながっています。また、IT管理者が復旧作業のために費やす時間も、企業にとっては損失となります。

イメージバックアップでは、システムやアプリケーションを含むディスクの状態を、丸ごとバックアップします。したがって、OSやアプリケーションのインストールや設定に要する時間を、排除することができます。OSがカスタマイズされていた場合には、その状態で復旧されるため、ディザスタからの復旧による作業効率の低下は、最低限に抑えられます。

クライアントPCでもバックアップは必要!?

すべてのデータがサーバーに保管されているとは限りません。クライアントPCのハードディスクにも重要なデータが保管されている場合があり、RPO/RTOの定義は同様に必要です。クライアントPCの場合は、バックアップにより業務効率が落ちてしまうことがないよう、どのタイミングでバックアップを実施するのか計画することが特に重要になります。ノートPCであれば、外出先で作業することもあると思います。ネットワーク経由でのバックアップであれ、USBの外付けハードディスクへのバックアップであれ、外出先ではバックアップメディアが接続されておらず、バックアップが失敗することになります。したがって、オフィスに戻った際(バックアップ先のメディアが接続された状態になった際)に即時にバックアップを実行するようなスケジューリングが可能であれば理想的です。



すべてのデータがネットワーク上に保管されているため、クライアントPCのバックアップは必要ないと思われるケースもあるでしょう。その場合でも、システム復旧のために、イメージバックアップが有効です。RTOの定義のために、ダウンタイムがどの程度許容できるかを算出することが必要であることは前述した通りです。クライアントPCがクラッシュして復旧するまでの間、そのマシンは使用できないことになります。使用できない間、業務上の損失が発生します。より迅速に復旧するために、イメージバックアップはクライアントPCにとっても有効です。

また、クライアントPCはサーバーマシンよりも頻繁に買い替えをすると思います。システムを移行するために業務が中断することはやむを得ないと言えますが、イメージバックアップをシステム移行ツールとして使用することもできます。この方法で移行した際には、元々使用していた環境とまったく同じ状態で新しいPCを使い始めることができるので、業務効率の低下を最低限に抑えることができます。

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