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バックアップのススメ
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Windows標準のバックアップツールで十分!? バックアップ専用ソフトの価値とは

これまでの連載で、現在のシステムにとってバックアップは必要不可欠なものであることはすでにお分かりいただけたと思います。では、専用のバックアップツールの存在はどうでしょうか? というのも、多くの方が使われているWindows ServerやLinuxには標準でバックアップツールが備わっています。これらのツールを活用してバックアップができれば余分な投資は必要ないのではと考えるのは当然のことです。そこで今回は、標準のバックアップツールと市販のバックアップツールの違いや、市販のツールを使うことにどのようなメリットがあるのかを見ていくことにしましょう。

お金を出してバックアップツールを導入する意義は?

バックアップはリスクヘッジの側面が強いが故に、投資をできるだけ抑えたくなってしまうものだといえます。システムを管理する側としても、通りにくい提案を経営陣にするよりも、無料で使えるツールでバックアップを実施できるのであれば、そちらのほうが都合のよいことは間違いありません。

実際に、Windows Serverに標準で付属しているバックアップツールは、NTから2000、そして2003とバージョンがあがるたびに進化を遂げています。また、LinuxやUNIXを利用しているケースでも、LVM(Logical Volume Manager)を利用することで、定期的なバックアップも可能となるので、これらを活用している方も多いでしょう。

それでは市販のバックアップツールは必要ないのでしょうか? これは一概に「YES」や「No」とはいえません。その理由はシステムの規模や用途によってRPO(Recovery Point Objective:目標復旧時点)やRTO(Recovery Time Objective:目標復旧時間)が変わるのと同様に、バックアップツールに必要とされる機能や性能が変わってくるためです。ただ1つ言えるのは、市販されているバックアップツールも付加価値があってこそ売れている訳です。ですから、市販のツールを使うことによって、標準装備のバックアップツールではできないことができるようになることや、バックアップの利便性や安全性、可能性が高まることは確実と言えるでしょう。

以前に比べて格段に進歩した標準バックアップツール

それでは、標準のバックアップツールと市販されているバックアップツールの違いを理解するために、Windows Server標準のバックアップを例に挙げ、どのような機能が備わっているのか見てみましょう。現在のWindows Serverの主流である「Windows Server 2003」の標準のバックアップツールとしては、データ領域を保護する「Ntbackup」が備わっています。

Ntbackupは、1990年代のWindows NT Serverの時点から存在するツールで、Windows Serverの進化と共にバックアップ機能もバージョンアップを果たしてきました。主な機能としてはデータ保護を実現するためのスケジューリング機能や増分/差分バックアップをサポートしたツールとなっています。実はこの「Ntbackup」はベリタス社(現シマンテック社)が提供するコンポーネントをベースにして開発されたという経緯があります。

その歴史を紐解くと、1993年にベリタスとマイクロソフトが、バックアップ アプレットとMicrosoft テープフォーマットを共同開発し、1996年にバックアップ機能を備えたWindows NT 4.0が発売されたことに始まります。そして、Windows 2000 Serverでは、ベリタス独自の技術であった論理ディスク領域によって複数のディスクシステムのバックアップや管理を容易化するLDM(Logical Disk Manager)などが採用されるなど、さらに親和性を深めていきました。そして、現在の主流となっているWindows 2003 Serverでは、5つのコンポーネントを提供するなど、「Ntbackup」とベリタス(現:シマンテック)の存在は切ってもきれないものとなっています。このこともあり、シマンテックが提供するSymantec Backup Execは、Windowsとの親和性や機能性において、非常に優れているのです。

標準バックアップツールと専用のバックアップツール

先述したWindowsの例を見ると、バックアップ専門のシマンテックが作っているであれば、標準装備のバックアップツールのみで的確に運用することも可能と考えるのは不思議なことではありません。ただし、標準のバックアップツールでの運用は、“小規模なシステム”でかつ“熟練した管理者”がいるケースが多いことがいえます。もし、システムを運用する管理者が熟練でない/慣れていない場合や、管理するサーバーの規模が増えてきた場合には、標準のツールだけでは的確な運用が難しくなってくることもあります。

また、企業のバックアップの要望は多種多様に存在するため、運用上に出てくるさまざまな要望を吸収させようとすると、そこにはいくつかの課題が生じてきます。例えば企業の中で重要視されるデータというのは、DBソフトやメールシステム、グループウェア、SFAなどのアプリケーションから生成されるデータとなりますが、これらのアプリケーションとの連携をさせるにはスクリプトやプログラムを作る必要がでてきます。複数のサーバーのバックアップを集中管理する場合には、それぞれのサーバーに設定を施す必要がでてきますが、集中管理を実施するには、プログラムの作成が必須となります。

専門のバックアップツールの大半はこうしたIT管理者の作業を効率化し、バックアップ&リカバリにおける様々なニーズに対応するために作られています。操作は極力簡略化されているほか、柔軟な設定にも簡単に対応してくれます。例えばデータ保護においては、大規模システムを対象としたバックアップソフトであれば、リアルタイムバックアップなどミッションクリティカルなシステムへの対応、高速バックアップの実施、そして何百・何千台台にも及ぶサーバーのバックアップの集中管理なども可能です。

システム保護に関しても、ディスクをファイル単位でなく、ディスク上のイメージをそのままバックアップするイメージバックアップへの対応によって、高速なバックアップとリカバリが可能になります。これはサーバーのダウンタイムを削減したい場合には、非常に大きなメリットといえます。また、構成が異なるサーバーに戻したい場合にも対応できるので、故障の際にシステムのスケールアップが実施できるのです。さらにイメージバックアップからもフォルダやファイル単位で復元できる製品もあるので、さまざまなリカバリ方法が可能になるのです。

さて、ここまでを読んでも専用のバックアップツールの必要性があまりないと感じる場合は、不要かも知れません。ただ、注意していただきたいのは、保存するデータの肥大化は日々進んでおり、管理するサーバーやストレージの台数は今後も増え続けていくことと、熟練した1人の管理者に頼ったバックアップ環境になっていないかということです。特に後者においては非常に危険度が高い状態だといえます。熟練した管理者が辞めてしまったり、病気にかかったり、怪我をするなどして休職してしまったら、誰もバックアップ状況を把握できないという事態が起こる可能性は十分にあります。こうした状況を起こさないためにも、熟練していない管理者でも的確な管理が可能な専用のバックアップソフトの導入を検討する余地はあるでしょう。

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