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有益か、害か、そのどちらでもないのか - AI の到来

人工知能の普及は、SF 小説の中で描かれているように、無生物である機械やデバイスが人間とやりとり始める未来が近いということを意味する

過去の RSA Conference と同じように、今回の RSA Conference でもビッグデータとデジタル化の時代における人工知能とその役割が話題の中心となりました。今回の論点は、それが有益なものになるのか害になるのかということです。

サンフランシスコのモスコーニセンターの展示ホールでは、各企業の製品の展示に対して数千人もの参加者が関心を寄せており、どの企業でも AI が評価基準となっていました。その他には、AI の普及と、考えられるセキュリティへの影響に関するパネルディスカッションが数多く見られました。

シマンテックの最高技術責任者(CTO)である Hugh Thompson が金曜日の午後に行ったカンファレンスでは、AI の潜在能力は有益か、害となるのかという点を主題にしていました。

Thompson は出席者に対して次のように述べました。「セキュリティの専門化としての私たちの責任は、これらの新しい手法が失敗する可能性がどのようなものかを真に理解することです。AI がどのように失敗するかを理解し、先手を打って対処すべきと考えていますが、同時に AI の推進を積極的に支持することも考えています。」

Udacity の創業者兼社長であるパネリストの Sebastian Thrun 氏は、Thompson とのさまざまな AI に関する会話の中で、その発言に賛同しました。この先、困難が待ち受けていることは明らかですが、Thrun 氏は AI の社会的インパクトが作り出す未来に「非常に期待している」と語りました。

Thrun 氏は、蒸気機関が発明されるまで、平均的な人間の生産性はその人物の体力と機敏さと比例していたと述べました。しかし、優れた新しいテクノロジーの導入によって力が増幅されるようになり、最終的に労働に革命を起こすことができました。AI のインパクトは同様の変革をもたらすものであり、日常的な繰り返しのタスクに取り組む必要性から人類を解放すると Thrun 氏は予測しています。

Thrun 氏は次のように述べています。「初めての機械の発明は、人間を超人的なものにするものでした。現代で重要な点は、人間の脳をアウトソーシングして、やりたくない作業をなくすことです。

私は人間が得意なこと、苦手なことは何かを自問自答しています。」Thrun 氏は、テクノロジーによって人間の手が空くにつれ、より創造性が発揮されると述べています。「人は誰しも創造的なものであり、その創造性が人間を信じられないような超人に変えるものだと考えています。」

ロボットの権利?

しかしその前に人々は、SF 小説で描かれているように、無生物である機械やデバイスが人間とやりとりをするというコンセプトに慣れる必要があります。

MIT Media Labs の研究者である Kate Darling 氏は次のように述べています。「今や、人とロボットがやりとりする時代です。これらのテクノロジーは過去とは違った形で、人々の生活に忍び込んできています。」

人工知能によって情報を得るロボットやスマートアプリケーションに対して人間的な性質を与えた場合、関係性に関して興味深いシナリオが発生する可能性があります。社会にはすでにポップカルチャーやサイエンスフィクションが浸透しているため、デバイスに主体性と目的を与える必要性を感じると Darling 氏は述べています。また、このような必要性はロボット掃除機ルンバなどの初期の商業用ロボットの登場時から感じていたと指摘しています。  

Darling 氏は次のように述べています。「人々は自分のルンバに対してすでに愛着を持っています。ルンバに親しみを感じており、どこかに引っかかってしまったら可哀そうに思うのです。設計が向上すればするほど、これらの機械に対する感情移入は深まります。」

Thompson は、市民社会で人間が保護されているのと同じ倫理的、または法的な判断が機械にも及ぶべき時期がすぐにやってくる可能性に言及しました。

まったくあり得ない話ではなさそうです。Darling 氏は、MIT が行ったワークショップで、参加者に 5 体の小さな恐竜のロボットを提供し、それを痛めつけ、さらには「殺す」ように求めたケースを説明しました。

彼はそのときを思い起こして次のように述べています。「参加者は非常に動揺していました。ですから、このようなシステムとの触れ合いには、当然、機械はなにも感じないのですが、機械を扱う正しい方法、誤った方法というのがあるのかもしれません。」

About the Author

Charles Cooper

Editor in Chief, Big Valley Marketing

Charles Cooper has covered technology and business for more than 25 years as a journalist.

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