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帰ってきた殺し屋 

Jul 06, 2011 04:39 AM

最後に目撃されてから数年ぶりに、あの殺し屋が「Don Gunshot(ドン・ガンショット)」という名前で帰ってきました。

偽の親切話をもちかけ、莫大な金額の謝礼を約束して人を騙す手口は、ナイジェリア詐欺(419 詐欺)で用いられ、今やすっかり古典となりました。最も古くからあるスパム行為のひとつであり、非常に初歩的でありながら、さまざまな工夫で危険性をはらんでいます。今回再び登場した詐欺の手口は、ユーザーに金銭の支払いを強要し、支払いがない場合には深刻な結果が待っていると脅すものです。見方を変えれば、恐ろしいというよりむしろ笑い話になりそうな類かもしれません。


 
上に示した電子メールは、まったく見ず知らずの他人を脅迫しようとしている詐欺の実際の文面です。送り主はあなたを知りませんが、あなたを殺害するよう依頼されてその報酬を受け取ったと称しており、このメールに書かれている秘密を少しでも漏らそうとしたら深刻な事態を招くことになると脅迫しています。警察には言うな。身に迫ったこの危機を身内や友人に一言でも話したら命が危険にさらされるぞ、というわけです。助かるためには身代金を 2 回に分けて支払わねばならないなど、話はややこしくなっていきますが、期限は厳守しなければなりません。事態の深刻さを強調するために、メールには狙撃用ライフルを持った男がこちらを狙っている写真まで添付されています。

ひととおりの脅迫が終わると、今度は期限を設けて取引をもちかけようとします。何らかの怠慢や不履行があれば命に関わる、という但し書きも付いています。指定された方法で 1 回目の支払いが済んだら、殺人依頼の証拠を渡してくれるということまで約束されています。

ここで突然、この詐欺師は奇跡的な心変わりを示し、次のように提案してきます。「私が依頼人を裏切るのはこれが初めてのことだ。お前に同情したからこそ、お前が助かりたいというなら助けてやることにする」というのです。一転して同情する気になったと言いながら、最終的な目的は金儲け以外の何ものでもありません。その一方、命を狙うと脅迫する詐欺メッセージでありながら、末尾が「Regard(敬具)」で結ばれているのは、何とも滑稽です。

このような電子メールに、もちろん返信してはなりません。この数日間に、このタイプの電子メールが増えていることが確認されていますが、すべて同一の文面です。このスパムの目的は、銀行口座情報を盗み出し、手に入るものを根こそぎ奪取することにあります。ある意味で創意工夫は認められますが、結局のところ、これも金銭詐取の亜種にすぎません。

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備考: コンテンツの寄稿者である Paresh Joshi 氏に感謝します。

 

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