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裁判所を騙る電子メールと葬儀場を騙る電子メールとの共通点 

Feb 18, 2014 10:15 PM

以前のブログで、成功率を上げるためにスパマーがメッセージを次々と変更している事例についてお伝えしました。その中で解説したように、同じスパム活動で使われるメッセージが、音声メールの通知から、小売業者の配達不能通知へ、さらには電力会社を装った案内へと変更されていたのです。リンクをクリックすると、Trojan.Fakeavlock を含む .zip ファイルがダウンロードされます。しかし、スパマーもこうした攻撃経路ではユーザーがなかなか騙されなくなってきたことに気付いたようで、この攻撃に 2 つの手口を追加しています。最初はランダムで無関係のように見えましたが、目的は明らかに共通しています。

1 つ目は米国各地の裁判所を騙る手口です。

Court Funeral Email 1 edit.png

図 1. 米国の裁判所に偽装したスパムメール

2 つ目は葬儀場を騙る手口です。

Court Funeral Email 2 edit.png

図 2. 葬儀場に偽装したスパムメール

この 2 つの手口に共通するのは、どちらも大至急メッセージを開封してリンクをクリックするように急かしている点です。どちらも緊急性を感じさせる文面であり、たいていの人は裁判所からの通知は無視できないでしょうし、いったい誰の葬儀なのか知りたくて葬儀への招待リンクもクリックしてしまうでしょう。後者の場合は、葬儀の日取りが当日か翌日になっているので、余計に急かされることになります。

スパマーはこうして工夫を凝らしている一方で、やはり同じミスを繰り返しています。以前と同様、ヘッダーの情報が本文と食い違っているのです。以下に示す例でも、ヘッダーでは裁判所からの通知を装っていながら、本文は電力会社からの案内になっています。

Court Funeral Email 3 edit.png

図 3. ヘッダーと本文が食い違っているスパムメール

このスパム活動は今でも、乗っ取った URL(所有者の知らないうちに侵入を受けてスパムコンテンツをホストしている Web サーバー)をコールトゥアクションとして利用しています。以下に示すように、スパムコンテンツを秘匿するために使われているディレクトリパスもさまざまです。

Court Funeral Email 4.png

図 4. スパムコンテンツを秘匿するために使われているディレクトリパス

グラフの左半分は色分けが比較的単純ですが、右半分になると同じ日でも色が複雑に分かれています。12 月から 1 月初旬に掛けての期間と比べると、このスパムに使われているディレクトリパスの種類が増えています。

このスパム活動はまだ終わりそうになく、スパマーはこれからも新たな経路を考案するものと思われます。シマンテックでは、最新の脅威に関する最新の情報をお届けできるよう、常時スパムの監視を続けています。

 

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